どんな病気
性行為によって感染する病気が性感染症です。
STDとも呼ばれます。
性感染症は無症状や症状が軽くて気が付かないことも多く、いつの間にか人へうつしてしまう可能性があります。
さらに不妊症の原因や、母子感染を起こして赤ちゃんにも感染する可能性があります。
また自覚症状があっても医療機関を受診しにくいために、正しい知識を持って、予防と早期発見、治療が大切です。
【主な性感染症】
病名 |
症状 |
潜伏期間 |
原因・特徴 |
梅毒(ばいどく) |
感染~3か月:赤い痛みのない小さなしこりができる □ 3か月以上:足の付け根リンパ節の腫れ、全身に小豆大の赤い発疹 □ 3年以上:放置すると心臓や脳に障害を起こし、死に至る |
3週間程度 |
梅毒トレポネーマという細菌による慢性の全身感染症 |
淋菌(りんきん)感染症 |
男性:排尿時の強い痛みと尿道から膿が出る □ 女性:症状が軽くて気づかないことも多い |
2~7日間 |
淋菌という病原菌に感染。 男性に多くみられる。 |
性器クラミジア感染症 |
多くの場合は無症状。 □ 男性:排尿時の軽い痛み □ 女性:おりものの増加、卵管炎などを起こし不妊の原因となる |
1~3週間 |
クラミジア・トラコマチスというクラミジアの一種に感染。 最も多い性感染症。 |
性器ヘルペス |
感染部分に小さな痛みを伴う水疱。 □ 初感染時はとくに症状が強い。 |
2~10日間 |
単純ヘルペスウイルスに感染。 一度感染すると、ウイルスが体内に潜伏して再発を繰り返す。 |
尖圭(せんけい)コンジローマ |
性器や肛門周辺などに乳頭状のイボができる |
3週間~8か月 |
ヒトパピローマウイルスに感染。 □ 悪性腫瘍の原因となる場合がある。 |
トリコモナス症 |
男性:自覚症状がないことが多い □ 女性:泡状の悪臭の強いおりもの |
不定 |
トリコモナスという原虫が感染し、腟や子宮頸管に寄生する。 |
性器カンジタ症 |
男性:無症状のことが多い □ 女性:無症状が多い。 かゆみ、カッテージチーズ状の白いおりもの |
1~2週間 |
カビの一種であるカンジダ菌が感染。 □ 女性に多くみられる。 |
B型肝炎 |
発熱や全身倦怠感、黄疸。 |
3か月程度 |
B型肝炎ウイルスに感染。 慢性肝炎、肝硬変から肝臓癌へと進展することがある |
|
感染2~3週間後に発熱、頭痛などのかぜのような症状が数日から2週間程度続く。 □ その後数年間の無症候期に入る。 |
平均10年程度 |
HIVウイルスに感染。慢性的に進行する。 □ エイズを発症すると免疫不全を起こし、命の危険がある。 |
検査・治療
必ずパートナーの方と同時に治療を受けてください。
一人だけの治療では治っても、いわゆるピンポン感染を起こしてしまいます。
検査 |
治療 |
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梅毒(ばいどく) |
顕微鏡検査:患部から病原体を確認する □ 血液検査:血液から抗体を検査する |
ペニシリン系の抗菌薬を使用する |
淋菌(りんきん)感染症 |
血液検査、尿検査、膣分泌液検査 :培養検査、遺伝子増幅検査、抗体検査など |
セフェム系抗菌薬を使用する |
性器クラミジア感染症 |
血液検査、尿検査、膣分泌液検査 :培養検査、遺伝子増幅検査、抗体検査など |
マクロライド系抗菌薬を使用する |
性器ヘルペス |
患部の状態観察 血液検査:血液から抗体を検査する |
抗ヘルペスウイルス薬を使用する |
尖圭(せんけい)コンジローマ |
患部の状態観察 病理検査:組織を顕微鏡で観察する |
尖圭コンジローマ治療薬を使用する |
膣トリコモナス |
顕微鏡検査:分泌物や尿にトリコモナス菌を確認する |
抗原虫薬を使用する |
性器カンジタ症 |
顕微鏡検査:カンジダ菌を確認する 培養検査:分泌物を培養検査する |
抗真菌薬の腟錠、軟膏などの外用薬を使用する |
B型肝炎 |
血液検査:抗体や遺伝子を検査する |
抗ウイルス薬や、インターフェロン注射を行う |
血液検査:抗体や遺伝子を検査する |
抗HIV薬を使用する |
ホームドクターからのアドバイス
予防について
NO SEX(セックスをしない)
STEADY SEX(セックスの相手を限定する)
SAFER SEX(より安全なセックスをする)
が大切です
性感染症は無症状の場合も多い病気ですので、気になることがあるときは検査をうけしましょう。
保健所では、一部の性感染症の検査を無料や匿名で受けることができます。
○ 長野県 HIV・エイズ以外の性感染症
CRC 知っていますか?STDのこと
□
もっと調べる
参考リンク
○ 厚生労働省 感染症情報 性感染症
○ 国立感染症研究所 性感染症(STD)
○ 公益財団法人 性の健康医学財団
初診に適した科
泌尿器科、婦人科、皮膚科、内科
頼りになる病院
まずはお近くのかかりつけ医の先生にご相談ください。
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