医良人コラム
18/10/10

第4回「健康の見つけ方」〜医療も「連携プレー」大事〜

(信濃毎日新聞中信版MGプレスに掲載されたものを再掲しています。)

寂しいことにサッカーワールドカップ(W杯)が終わってしまいました。

中信地域には松本山雅FCもあり、サッカーファンが多いと思います。

私は幸せなことに2002年日韓W杯決勝戦、ブラジル対ドイツを横浜の競技場で観戦できました。

試合終了後、敗れたドイツのGKオリバー・カーン選手がゴールポストにもたれかかり涙する姿は印象的でした。

サッカーは「連携プレー」が大事といわれます。
選手は自分のポジションの役割をきちんと果たし、仲間と連携してチーム全体の戦力アップを目指します。

これは医療機関にも同じことがいえます。

大学病院では高度医療や難病などの研究を、病院は主に入院治療を、医院や診療所は外来診療を担っています。

生活習慣病や風邪などの日常の健康管理は、医院や診療所の「かかりつけ医」が担当し、専門的な検査や手術、入院治療が必要となれば病院へ紹介してつなげる。この仕組みを「病診連携」といいます。

中には「普段から病院に通院していないと、いざという時に診察をしてもらえないのでは?」と心配される方がいますが、そのようなことはありませんのでご安心ください。

日本では病院志向が強く、病院の外来は混雑し待ち時間が長くなっています。

混んでしまうと、がんの治療や重篤な患者さんの外来診察に十分な時間を充てることが難しくなります。

さらに、本来の役割である入院患者さんの診療にも影響が及びます。
外来診療に多くの時間や体力が割かれることが続くと、病院の医療者は疲弊してしまいます。

それぞれの医療機関が力を発揮し、地域の医療を守るためにも、医療機関には役割分担があることをご理解お願いします。

(2018年7月17日付MGプレスから)


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