信州大学医学部 脳神経外科 監修
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どんな病気
てんかん(癲癇)とは慢性の脳の病気で、年齢、性別に関係なく発症します。
特に小児(3歳以下)と高齢者で発症率が高いといわれています。
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脳の神経細胞に激しい電気的な刺激が生じることによって、発作的なけいれんや意識障害などの「てんかん発作」を繰り返し起こすのが特徴です。
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てんかんの患者は約100人に1人、全国に約100万人いると言われています。
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原因
脳腫瘍や頭部外傷後遺症などの明らかな原因がある場合は「症候性てんかん」、原因不明の場合は「特発性てんかん」と呼ばれます。
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症状
てんかん発作がおこります。
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全般発作
発作のはじめから脳全体が異常な電気信号に巻き込まれるもので、意識が最初からなくなるという特徴があります。
強直間代発作(きょうちょくかんたいほっさ) |
突然意識を失い、全身を硬直させ(強直発作)、直後にガクガクと全身がけいれんする(間代発作) |
単純欠神発作(たんじゅんけっしんほっさ) |
突然、数秒から数十秒の意識をなくし、すぐに回復する |
複雑欠神発作(ふくざつけっしんほっさ) |
意識障害に加えて、他の症状(自動症、ミオクロニー発作など)を伴う ・自動症:手足や口をもそもそと動かす ・ミオクロニー発作:体の一部あるいは全体が一瞬ピクンと動く |
点頭発作(てんとうほっさ) |
頭を前に倒し、両手を振り上げ、胴体を曲げるという形をとる |
脱力発作(だつりょくほっさ) |
突然体の力が抜けバタンと倒れる |
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部分発作
脳のある一部分から始まる発作です。
• 後頭葉の視覚野で起これば、光がチカチカ見える
• 手の領域の運動野で起これば、手がピクピク動く
• 側頭葉で起これば、胸部の不快感(むかむかする、チクチクする)や既視感(デジャブ)など
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この他にも、めまいやしびれ、ぼーっとする、ふらふらする、妙な音が聞こえるなど、発作にはさまざまな症状があります。
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検査
脳波検査
脳波を記録して、異常なてんかん波を検査します。
起きている時と睡眠時の両方を検査しますが、特に睡眠時はてんかん波が最も出現しやすいので重要です。
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MRI検査、CT検査
脳の中に脳腫瘍、脳出血、脳梗塞、脳挫傷などがないか検査します。
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血液検査
血液中のナトリウムやカルシウムが減少すると、けいれんが起きやすくなります。
また、てんかんの薬物治療は長期間にわたり薬を飲み続ける必要があるので、定期的に肝臓や腎臓、薬物の血中濃度を測定します。
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治療
きちんと治療を受けると、7割の方は発作が起きなくなります。
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薬物療法
抗てんかん薬などの薬剤による治療が中心となります。
発作のタイプによって使われる薬が異なります。
抗てんかん薬は、脳の神経細胞の電気的興奮を抑えたり、興奮が他の神経細胞に伝わらないようにすることで発作の症状を抑えます。
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手術療法
薬物療法だけでは発作がコントロールされない時には、外科手術による治療が検討されます。
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ホームドクターからのアドバイス
診察は、発作時の介助者・目撃者と一緒に受診しましょう
発作が始まると意識障害が起こることが多く、自分で発作の状態や状況を話すことができません。
また、病院に受診する時点ではほとんどの場合、発作がすでに止まっているため、介助者が医師に発作時の様子を説明することが大切です。
発作が起きたときは、介助者はあせらずに発作の様子をよく観察しましょう。
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発作時の様子をスマートフォンなどで撮影した動画も、診断するうえで非常に役立ちます。
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治療中の日常生活の注意
• 薬はきちんと服用する(勝手に服用を中断しない)
• 暴飲暴食・睡眠不足、過労を避け、生活リズムを整える
• 入浴時は誰か一緒に入ってもらう、声をかけてもらうなど安全を確かめるようにする
• 発作の頻度や起こりやすい時間帯、どのような発作かで主治医と相談し、日常生活で何に注意するか考えましょう。
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難病対策
てんかん発作を主な症状とする疾患には、難病に指定されているものがいくつかあります。
詳しくは、厚生労働省の難病対策 もしくは難病情報センターをご覧ください。
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信州大学医学部附属病院に専門医による「てんかん外来」が開設されました
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長野県 長野県内の患者会のご案内
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もっと調べる
参考リンク
○ 厚生労働省 みんなのメンタルヘルス てんかん
○ 日本神経学会 神経内科の主な病気 てんかん
○ 日本てんかん学会
○ 全国てんかんセンター協議会 てんかん支援ネットワーク
○ 日本てんかん協会
初診に適した科
脳神経内科、脳神経外科、小児科
頼りになる病院
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