前回、経口補水液は、消費者庁から病者用食品として認可を受け、脱水症状の方が「治療」目的に飲むものであって、まだ症状のない段階で「予防」目的に飲むものではないとお伝えしました。
それでは、実際にどのタイミングで飲めばよいのでしょうか?。
□
経口補水液は、軽度から中等度の脱水症に対して使用できるとされます。
嘔吐や下痢、または暑い環境下や運動などで大量に汗をかいて、水分や塩分が失われると体は脱水状態に陥ります。
その程度は、元の体重からどれだけ体重が減ったかの減少率で分類します。
しかし、正確な元の体重がわからないことも多く、また、体重と症状の相関はあくまでも目安であり、体重減少率3%未満でも症状が現れる人もいるため、減少率よりも症状の有無で脱水の程度を判断します。
水分が失われる状況下で、脱水症の軽症に該当する症状が一つでも見られたら、初期段階と考え、経口補水液を飲んでください。

□
早めに飲むことをお勧めする理由は、症状が進行するとぼんやりや、うとうとする意識障害が現れます。
そうすると自分では適切な判断ができなくなり、水分摂取が遅れて重症化する恐れがあるからです。
もし、意識障害の兆候が見られたら、周囲の人が飲ませてあげ、改善されない場合は、医療機関への受診を促してください。
周囲の人が手助けするーという点が大事です。
経口補水液の特徴や役割を正確に理解できれば、脱水時には大変頼りになります。
数本常備しておくと、いざという時に安心です。
□
(2025年8月19日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)










