医良人コラム
25/1/20

第112回 ゆっくり下ろして鍛える

前回、紹介しました肩凝り対策の筋トレ「ショルダーシュラッグ」と「ショルダープレス」を2週間続けた皆さん、効果はいかがですか?

 

 

 

 

 

 

以前からショルダーシュラッグを続けていて、前回の記事を読んだ患者さんから「私はダンベルを下ろす時にストンと落としていた。ゆっくり下ろすと書かれているがどうしてだい」とご質問をいただきました。

筋トレは、筋肉に重さという負荷を加え、筋肉を強く鍛えることが目的です。

この患者さんのように、ダンベルをストンと落としてしまうと、筋肉への刺激は少なくなります。

地球の重力で落ちようとするダンベルの重さにあらがいながら、ゆっくりと下ろすことで、上げ下げの際に、筋肉に刺激が加わり、より筋トレの効果が高まります。

すると今度は、ダンベルを上げる時の速さは「速くか、ゆっくりかのどちらが効果的か」という疑問が湧いてきます。

答えは「効果はどちらもほぼ同じ」といわれています。

より筋肉への刺激を長く感じられる、ゆっくり上げてゆっくり下ろす「スロートレーニング」を好まれる方もいらっしゃると思います。

私自身は1~2秒ですっと上げて、3~4秒かけてゆっくり下ろすという方法を実践しています。

メリハリやリズムを付けられますし、呼吸を合わせやすいというメリットもあります。

具体的には、口からフッと息を吐きながら、素早く重りや体を上げます。

鼻から息を吸いながら、ゆっくりと下ろします。

息を止めると心臓や血管に負担がかかるため、筋トレ時には、呼吸は止めないようにと繰り返しお伝えしましたが、適切に呼吸を合わせることで疲れづらくなり、筋トレの効果をより効果を高めることにもつながります。

これも繰り返しですが、筋トレは反動を使わずに、きれいなフォームを意識して、けがをしないように取り組んでください。

 

(2024年9月3日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)