薬を飲む時・使う時

H28年5月、10月に開催されました健康教室「まんまる◎広場」の内容を元に作成しています

医薬品は目的や用途によって様々な種類があります。

【医薬品の剤形】

剤形別服用方法アドバイス

①粉薬

メリット

• 薬の量をきめ細かく調整できる

• 複数の薬を混合して1包にまとめられる

デメリット

• 薬によっては苦味や臭いが強い

• 湿気に弱い薬が多いく、長期間保存ができない

飲み方

乳児には粉薬に少量の水を加えて、団子状にします。

それを「上あご」か「ほっぺたの内側」にこすりつけて、水やミルクを与えて飲ませます。

スポイトやスプーンをつかって 飲ませても良いです。

関連Q&A

Q.乳児の薬をミルクに混ぜて飲ませても良いか?

A.ミルク嫌いになる恐れがあるので、避けたほうが良いでしょう。

幼児には水を少しだけふくんで口の中を湿らせます。

粉薬を口の中に入れます。

コップ1杯の水かぬるま湯で薬を飲みこみましょう。

粉薬が嫌いな場合は、子供の好きなものに混ぜて飲ませる事もできます。

ジュースなどと混ぜると苦くなる薬もあるので注意が必要です。

味の濃いチョコレートアイスなどに混ぜることもよいでしょう。

②シロップ薬

メリット

• 薬の量をきめ細かく調整できる

• 子供用に甘く味付けされていて飲みやすい

デメリット

• 長期保存が困難(汚染されやすい)

• 1回量の測り取りが難しい

飲み方

容器を軽く振って、中身を混ぜます。

決められた量をカップに正しく注いで飲みます。

※飲んだ後で、水やぬるま湯を飲むと、口の中がさっぱりします。

※使用する計量カップやスポイトは清潔に保ちましょう。

③錠剤・カプセル剤

メリット

• 粒が飲めれば飲みやすい

• 携帯に便利

• 保存期間が長い

デメリット

• 薬の量をきめ細かく調整できない

• 複数の薬を飲むさいに、錠数が増える

飲み方

水やぬるま湯で飲みましょう。

関連Q&A

Q.薬は噛み砕いて服用しても良い?

A.薬の形を変えるのは危険です。

薬はより飲みやすく、より効果があるように工夫されています。

噛み砕いたり、カプセルを外して中身だけを服用すると、思いもよらない副作用が起こる事があります。

④坐薬

メリット

• 口から飲む事が出来なくても使用できる

デメリット

• 挿入時の刺激で排便することがある

• 持ち歩きが難しい(冷蔵保存の薬が多い)

使い方

包装シールから薬を取り出して、先の尖った方を肛門にあてて押し込みます。

乳児の場合はおむつをかえる体勢で入れます。

挿入後はティッシュペーパー等で、 10秒ほど肛門を押さえます。

※挿入の刺激で排便をする場合があるのため、排便後が望ましい。

関連Q&A

Q.坐薬を入れたらウンチと一緒に出てきました。もう一度入れなおして良いか?

A.使用5分以内で坐薬が塊で確認できる場合は、もう一度入れなおして下さい。

10分以上経っている場合は使用を控えて様子を見て下さい 。

Q.坐薬が2種類出ました。同時に使用しても良いですか?

A.同時に使用すると薬の吸収が落ちて、効果が弱くなる可能性があります。

30分以上間隔を開ければ使用できます。

使う順番については、医師又は薬剤師に確認して下さい。

⑤塗り薬(軟膏・クリーム)

メリット

• 軟膏は、皮膚刺激性が少ない

• クリームは、伸びが良く目立たない

デメリット

• 軟膏は、てかりや、べたつきがある

• クリームは、まれに刺激感がある

使い方

薬を塗る部分と、自分の指先をきれいに洗います。

決められた量を指先に付けて患部に塗って、よく伸ばします。

※厚く塗っても効果は強くなりません。

※チューブから直接患部に塗ってはいけません(薬を清潔に保つため)

⑥点眼・点鼻・点耳薬・吸入薬

メリット

• 直接患部に使用できる

デメリット

• 使用を嫌がる子供がいる

• 吸入が上手く出来ないと効果がでない

点眼薬の使い方

まず、手をよく洗いましょう。

容器の先が目に触れないようにして薬を一滴だけ落とします。

点眼を嫌がる場合は、頭を固定して目頭付近に1滴落として、下まぶたを軽く押し下げます。

点眼した後は、目を閉じて、1分間以上そのまま待ちます。

※手でこすらないようにしましょう。

※2種類以上の目薬を使う時は、5分間以上の間隔を空けてから点眼しましょう。

⑦テープ剤

メリット

• 直接患部に薬が使用できる

デメリット

• テープでかぶれてしまう事がある

貼り薬の使い方

患部の汗や汚れを拭き取って、清潔にします。

シップのフィルムを少しはがし、患部に当てながらシワにならない様に気を付けて、フィルムをはがしながら貼ります。


※貼付(ちょうふ)した湿布を全体的に手で押さえておきましょう。

※はがす時には、皮膚のしわの方向に沿って、やさしくはがして下さい。

その他Q&A

Q.薬を飲み忘れたときは、思い出したときに飲んでもよい?

A.勝手な判断で飲むのは危険です

薬は決められた量や回数より多いと血中濃度が高くなって、副作用を起こすことがあります。

また、少ないと血中濃度が低くて効果が発揮されないことがあります。

飲み忘れたときの対応方法は医師または薬剤師に聞きましょう。

【薬の飲むタイミング(用法)】

Q.お酒で薬を飲んでも良い?

A.お酒で薬を飲んではいけません

お酒は肝臓で分解されます。

薬も肝臓で分解されます。

そのため一緒に飲むと薬の分解が遅くなり、薬の効果が強くなりすぎて副作用(意識を失う、転倒するなど)が起きやすくなります。

Q.「お薬手帳」は何冊も持った方が良い?

A.「お薬手帳」は一冊にしましょう

病院で・・・

2ヵ所以上の医療機関を受診する時に、過去の病歴、医薬品歴がわかると、治療方針を決めるのに役立ちます。

薬局で・・・

併用薬の有無、副作用・アレルギー歴が理解され、薬の副作用防止、重複作用防止に役立ちます。


箱や袋、説明書などは 使い終わるまで保管しましょう 。

説明書には、薬の名前、成分、用法・用量や効能・効果、副作用などの大切な記載がしてあります。

Q.余ってしまった薬はどの位もちますか?

A.原則として、残った飲み薬は捨てて下さい。

粉薬やシロップ剤は混合されている場合もあり、使用期限が短い。

坐薬は冷蔵保存であれば1年位は大丈夫です 。

Q.薬を飲ませたらすぐ吐きました。もう一度飲ませてもいいですか?

A.錠剤やカプセルであれば全量を吐いた事が分かりますが、粉薬の場合は良くわかりません。

30分以上たっている場合は吸収されている場合が多いのため、飲ませないで下さい。

参考リンク:医良人コラム 第18回 「薬の保管について」

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