医良人コラム
26/10/20

第146回 転んだら薬を見直し予防を

夜中にトイレに行こうとして、頭では足を前に出しているつもりなのに、体がついて来ずに足がもつれ、手すりなどにつかまろうとした手が出なくて転んでしまう方が多くいらっしゃいます。

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このような転倒の背後には、薬の影響が隠れていることがあります。

転倒に関連する代表的な薬剤は、睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬、神経痛の薬、抗ヒスタミン薬の一部などが影響することが知られています。

 これらの薬剤は、脳や神経の活動を抑える作用があるため、本人が自覚しなくても注意力が低下してつまづきやすくなったり、神経だけでなく筋力の活動も抑える「筋弛緩作用」を併せ持つため、足がふらつきやすくなったりします。

実際に、ベンゾジアゼピン系睡眠薬は1.4倍、抗うつ薬1.48倍、抗精神病薬は2.3倍転倒しやすくなるというデータがあり、これらの薬剤を複数内服している方の転倒リスクはさらに高まります。

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前回まで、転倒予防のために外的要因を確認し環境調整に取り組む必要性や、内的要因対策としてバランス訓練や筋力トレーニング法について解説してきましたが、これらの薬を減らすと、同等かそれ以上に転倒予防に大きな効果があることが分かってきました。

世界の転倒予防ガイドラインでも、転倒歴のある高齢者では「薬剤内容の確認と継続の必要性の検討」が推奨されています。

つまり「転んだら薬を見直す」ことが世界の標準対策となっています。

抗うつ薬や抗精神病薬など、すぐに減量や休薬が難しい薬を内服している方は、転びやすい状態であるという自覚をしてください。

これは「睡眠薬を飲まないように」という意味でもありません。

10年ほど前から、従来とは働きが異なる筋弛緩作用が少ない睡眠薬が増えてきています。

転倒したことがある方や転倒を予防したい方は、かかりつけ医や薬剤師にご相談ください。

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(2026年6月23日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)