医良人コラム
26/7/20

第143回 転倒を未然に防ぐ環境整備

久しぶりに転んでしまいました。

幸い手をつくことができたので、骨折や頭部外傷など大ケガに至らずすみました。

介護が必要になった原因として「転倒・骨折」は、認知症、脳卒中に次いで第3位です(22年国民生活基礎調査)。

65 歳以上の高齢者の 3 人に 1 人は、1 年間に1 回以上転倒を経験しており、 転倒した人の10% が骨折や脱臼、捻挫、挫傷を起こしてしまいます。

また、転倒は死亡の原因にもなり、日本全体で年間11,935人の方が転倒・転落・墜落で亡くなっています(24年人口動態調査)。

ちなみに同調査での交通事故死数は3,511人。

高齢者の転倒はまさに「死活問題」と言いえます。

転倒・骨折は、原因を理解してそれに沿った対策の実行が、転倒を未然に防ぐことにつながります。

まず最初に取り組むのは、外的要因と呼ばれる身の回りの環境整備です。

日本転倒予防学会は転倒しやすい環境や場所の頭文字で作った標語「ぬかづけ」で注意喚起しています。

「ぬ」は濡れている所。

「か」は階段・段差。

「づけ」は片付いていない所。

床に衣類や新聞などを置いていませんか?

重要かつ簡単に実践できる転倒防止対策は「整理整頓」です。

床にある物は全て転倒につながる危険物と認識してください。

「良い住宅」という標語もあり、

「よ」は良い高さに物を置き、

「い」は居間の整理、

「じゅ」はじゅうたんの端を固定、

「う」は浮いた踵の履き物(スリッパなど)に注意し、

「た」は段差 と床を区別して、

「く」は暗い場所には照明をつけるーです。

布団やこたつ布団の片付け、電気コードなどの配線類の整理。

段差の部分に色の付いたテープや、階段のへりに滑り止めを張る。

滑りやすい靴下を避ける。

浴室や脱衣所に滑り止めマットを敷く。

不安定な家具を固定する。

手すりの設置、つえやシルバーカーの使用。

1カ所ずつ身の回りを見直してみましょう。

(2026年4月21日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)