医良人コラム
25/12/22

第134回 自分にできる運動を習慣化

健康標語「信州メディビトネット健康七箇条第二条」の「楽しく運動を続ける」という活動が続いていますが、患者さんや町会の方々と話をしていると、運動に関しての知識や習慣が広がっていると感じます。

90歳代の患者さんからは、しばしば運動やオリジナルの体操をしていると聞きました。

朝、目が覚めたら10分ほど、布団の中で横になったままでできる体操をして、体を目覚めさせてから動き出すという方もいます。

92歳の女性は毎日ダンベルを使って運動しているといい、力こぶを出した腕を触らせてくれました。

98歳のつえ歩行の1人暮らしの女性も、危なくて外には出られませんが毎日朝夕、廊下を100歩ずつ往復。

「先生、100歩でよいでしょうか」と尋ねてきます。

歩数を数えながら頑張って歩いている姿が目に浮かびますね。

皆さん、自分の体のために体を動かす習慣をつくっていて、やはりそのような意欲を持ち続けている方は元気です。

テレビなどでも、さまざまな健康法を考えてくれます。

最近患者さんに教えてもらってよいなと思ったのは「トイレに行くたびにスクワットを10回ずつ行う」です。

トレーニングとして毎日スクワット(118話参照)を「15回×3セット」といわれると継続性が難しいですが、「トイレに行くたびスクワット」なら、多い人だと1日100回に達する方もいるのではないかと思います。

これはさっそく試してみたいですね!

医師はこうしたことを伝える立場ですが、患者さんから教えてもらうことが多くあります。

介護予防としての運動は、元気なうちはなかなか他人事。

一方、介護を受けるようになった人は「今さら頑張っても」という気持ちになってしまうかもしれません。

しかし「私は体力がないから」という人ほど、運動の効果がより大きく得られると、前向きに考えて取り組んでみてはいかがでしょうか。

(2025年10月28日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)