信州大学医学部 整形外科(運動機能学教室) 監修
どんな病気
肩こりとは病気の名称ではなく、首から肩または背中にかけての不快感や痛みをあらわす症状を指します。
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医学的には肩こりは「頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)」の症状のひとつです。
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原因
人間の頭部の重さは成人で6~7㎏程度あります。
その重さを細い首で支え続けているために筋肉が疲労してこわばることが肩こりの一番の原因です。
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また両方の腕からも常に下方向に引っ張られていることも大きな原因です。
首や肩周りの筋力が、頭や腕の重さに負けてしまっていることが、肩こりの正体です。
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さらに、同じ姿勢をとり続けるなどして首や腕、その周辺の筋肉が緊張して硬くなり、血液循環に障害が起こります。
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◎肩こりになりやすい習慣チェック☑
□長時間同じ姿勢を取り続ける □首や背中が緊張するような姿勢、無理な姿勢 □姿勢の良くない人(猫背) □運動不足、首周りの筋肉が弱い □精神的なストレス □なで肩 □肩にバックなどをかける □冷房や冬の寒さ □眼精疲労 など |
また、骨、関節や神経の疾患など、他の病気の症状の一つとして肩こりが発生することがあります。
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症状
首すじ、首の付け根、肩、背中にかけて
• 張った感じ
• こわばった感じ
• 痛み
• 重さ
• 頭痛や吐き気を伴うことあります。
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検査
肩こりにはきちんとした診断方法はありません。
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問診
症状の確認、神経学的な診察を行います。
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触診
症状のある部分の圧痛や筋肉の緊張の程度を確認します。
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レントゲン検査
骨に異常がないかを検査します。
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その他
必要に応じてCT、MRI、筋電図、血圧測定などの検査も行います。
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治療
原因疾患があった場合、医療機関ではまずその治療を行います。
そうでなかった場合、以下のような対症療法を行っていただくのがよいです。
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運動療法
一番の対策法は頭や両腕の重さに負けないように、首周りや肩周りの筋力を強化することです。
①ダンベルシュラッグ:首周りの僧帽筋を鍛える
②ショルダープレス:肩周りの三角筋を鍛える
左右それぞれ500g~3㎏程度のダンベルやペットボトルで10~15回を3セット
トレーニングは反動を使わずにゆっくりと正しいフォームで行いましょう。
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◎ダンベルシュラッグ
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◎ダンベルショルダープレス
ストレッチ
ストレッチだけでは肩こりは一次的にしか解消できません。
上記の筋肉を鍛えることが大切です。
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「 日本整形外科学会ホームページ」より引用
マッサージ療法
マッサージにより筋肉の緊張をやわらげます。
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温熱療法
蒸しタオル、入浴などで筋肉の緊張をやわらげ、血流を改善します。
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薬物療法
• 消炎鎮痛剤:筋肉の痛みをとります。
• 筋弛緩薬:筋肉を緩めます。
• 局所注射
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ホームドクターからのアドバイス
肩こりは予防が大切です。
• 首周り、肩周りの筋肉を鍛えましょう。
• 正しい姿勢をこころがけましょう。
• 同じ姿勢を長く続けないようにしましょう。
• 体を温めて血流を良くするよう、適度な運動やストレッチ、入浴などを行いましょう。
• ストレスを溜めないようにしましょう。
• 枕の高さに注意しましょう。
• 急な肩こりの場合には、狭心症などの可能性もありますのでご注意ください。
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参考リンク
○ 日本整形外科学会 病気・症状をしらべる 肩周辺の症状 肩こり
○ 日本臨床内科医会 わかりやすい病気のはなしシリーズ 肩こり
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整形外科
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