どんな病気
幼児期の「おねしょ(夜尿)」は、ふつうにみられることであり、病気ではありません。
5歳(小学校入学前後)以降になっても、月に1回以上のおねしょが3ヶ月以上続く場合に、「夜尿症」と定義されています。
生まれて2歳頃までは、だれでも毎晩おねしょをします。
4~5歳児になると、膀胱が大きくなってくるため、7~8割の子供はおねしょをしなくなってきます。
小学校入学時で、約15~20%におねしょが続いています。
小学校低学年で約8~10%、小学校高学年では約5%程度になります。
12歳を過ぎると、その多くは消失していきます。
しかし、まれに成人まで続く場合もあります。
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原因
• 夜間の尿量が膀胱容量よりも多い
• 夜尿症の子供は眠りが深く、尿意を感じても起きることがほとんどない
• 抗利尿ホルモンと呼ばれる、尿量を減らすホルモンの分泌が少ない
また、しばらくの間、落ち着いていた夜尿が弟や妹が生まれたとか、学校生活のトラブルなどのストレスをきっかけに再びみられるようになることがあります。
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けっして、「子どもの性格の問題」「保護者の育て方の問題」ではありません。
昼間も夜間も尿量が多い場合には医療機関で検査を受ける必要があります。
昼間の尿漏れや、発熱などを伴う尿路感染を起こす場合には、膀胱などの尿路に異常があることがありますので、小児科や泌尿器科をきちんと受診することが大切です。
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検査
問診
• 昼間に何回ぐらいおしっこをしているか
• 昼間におしっこを漏らすことがあるか
• おしっこが出る時の勢いはどうか?
• おしっこの匂いは気になるか
• 毎日、排便をしているか
• カフェインを含んでいるものを日常的に飲んでいるか
• 夕方から寝るまで、どれくらい飲み物を飲んでいるか
尿検査
夜間尿量と膀胱容量を比較
夜間尿量>膀胱容量であれば、夜尿を起こしてしまう可能性が高くなります。
• 夜間尿量の測り方
①夜尿の量は、朝起きた時のおむつの重さから、使用前のおむつの重さを引いた差を夜尿量とします。
②朝起きてトイレに行った時のおしっこの量を測ります。
①と②を足したものが夜間の尿量です。
夜間尿量が多すぎる場合には水分の摂取が過剰な場合や、抗利尿ホルモンとよばれるおしっこを減らすホルモンの分泌量が少ないなどの原因が考えられます。
• 膀胱容量
①おしっこを我慢して、限界の時の排尿量を測ります。
②夜尿がなかった時の朝の排尿量を測ります。
①と②と比べて、多い方を膀胱容量とします。
少ない場合には、膀胱が敏感でがまんができないと考えることができます。
必要に応じて、血液検査や超音波検査を行います。
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血液検査
ホルモンの分泌異常がないかを検査します。
画像検査
膀胱の大きさや、臓器そのものの疾患ではないかを検査します。
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治療
生活改善
夜間尿量が多いタイプ
• 水分の摂り方に注意して、寝る2~3時間前からの水分摂取を減らしましょう。
• 塩分が多いと体に水分が蓄積されるため、夕食の塩分量は控えましょう。
膀胱容量が少ないタイプ
• 昼間におしっこに行くことを少し我慢して、膀胱の容量を増えすトレーニングをしてみましょう。
共通の対策
• 寝る前にトイレに必ず行く
• 早寝、早起きをする
• 睡眠前のテレビやゲームなどのメディアを控える
• 眠りが浅くならないように、カフェインを含んでいる飲み物は控える
• 体の冷えは夜尿を悪化させるのため、暖かくして寝ましょう
• 便秘によって、膀胱が刺激されて夜尿になることがあります。定期的な排便習慣も作りましょう
• 夜中に、無理にトイレに起こさない
おねしょアラーム
おねしょをするとアラームが鳴ることで、おねしょに気付く習慣づけを作ります。
薬物療法
医療機関では、抗うつ薬、抗コリン薬、抗利尿ホルモン薬などが使用されます。
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ホームドクターからのアドバイス
夜尿症の治療を行う際、以下のことばを忘れずに行うことが大切です。
夜尿治療の三原則
• あせらない
• 怒らない
• 起こさない
小学生になっても夜尿が続く子供は、膀胱の発達がまだ十分ではないため、優しく成長を見守りましょう。
なかなか改善しない場合でも、夜尿症の多くはそのうち治るものと考えて、気長に見守ることが大切です。
大きくなっても続く場合には、抗利尿ホルモンや膀胱の異常がないことを医療機関で確認し、うまく付き合えるように生活の工夫で対応しましょう。
坂本竜馬は大人になってもおねしょをしていたそうですよ。
キャンプや宿泊研修時には、先生に事前に通知しておいて、その日だけは夜間に起こしてもらい、早めに誘導をしてもらうようにしましょう。
着替えをきちんと用意しておくなどの安心対策も大切です。
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参考リンク
〇 フェリング・ファーマ株式会社 おねしょ卒業!プロジェクト
〇東京女子医科大学病院 泌尿器科 腎臓病総合医療センター 夜尿症
初診に適した科
小児科、泌尿器科
頼りになる病院
まずはお近くのかかりつけ医の先生にご相談ください。
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