やけど

どんな病気

やけどは正式には熱傷(ねっしょう)とよびます。

高い温度の接触によって、皮膚や粘膜におこる外傷です。

接触したものの温度と接触している時間で重症度は異なり、やけどの深さと広さで重症度が分類されます。

やけどを起こすと直後から赤みや腫れが見られます。

その後に水ぶくれ(水疱:すいほう)ができます。

低温やけど

40~55度くらいのそれほど高い温度ではないもの(カイロや湯たんぽ)に、長時間触れることで起こるやけどもあります。

低温やけどは、受傷直後は症状が軽く見えても、実際には損傷が深いことが多いのが特徴です。

原因

温熱やけど:火や熱湯、蒸気など、高温のものに触れる

低温やけど:カイロ、湯たんぽ、電気アンカ、ホットカーペット、電気毛布などに長時間触れる

分類
Ⅰ度(表皮熱傷) 皮膚の赤みと軽い腫れで、水ぶくれ(水疱)はできません。
ヒリヒリと痛みます
Ⅱ度(真皮熱傷) 水ぶくれ(水疱)ができ、強い痛みをともないます。
Ⅲ度(皮下熱傷) 損傷が皮下組織までおよぶと、白色や黄褐色、黒褐色になります。
痛みはありません
外科的治療が必要になることがあります。

やけどの重症度は、やけどの深さに加えて、広さ、部位、年齢などで総合的に判断されます。

また、乳幼児や高齢者は、比較的小さなやけどでも命に関わることもあるため注意が必要です。

症状

• 赤み

• 腫れ

• 痛み

• 水ぶくれ(水疱)

症状の程度は、やけどの深さによって異なります。

検査

やけどの原因、皮膚の状態や症状から治療を行います。

治療

• 受傷後はなるべく早く、流水などでしっかりと15~20分程度冷やします。

その後医療機関を受診しましょう。

衣服や靴下の中でやけどを起こした場合は、無理に脱がせず、衣服の上から流水をかけて冷やします。

やけどの範囲が広い時には、からだが冷えすぎないように注意してください。

• やけどの原因や深さと広さ(重症度)により、治療や経過が違います。

Ⅰ度

赤くなるだけのやけどは数日で治ります。

最初の日には炎症を抑えるステロイド軟膏を使用します。

Ⅱ度

基本的に毎日、医療機関で処置を受ける必要があります。

受傷部位の湿潤環境を保ちつつ治療するために、軟膏や創傷被覆材(受傷部を保護するシートやフィルム)による治療が行われます。

水ぶくれ(水疱)は無理につぶさずに保護します。

水疱が自然に破れた場合には、破れた皮膚は無理に取り除かずに、皮膚にくっつきにくいガーゼに軟膏を塗ったものや、創傷被覆材で保護します。

赤くなったり感染を起こしていないか、毎日観察を行います。

治るまでに1~4週間かかります。

Ⅲ度

自然に治ることは難しく、多くは皮膚移植(植皮術:しょくひじゅつ)などの手術が必要となります。

治るまでに4週間以上かかります。

ホームドクターからのアドバイス

やけどをしたら、すぐに冷やす!

冷やすことで皮膚深部への熱の伝達を防ぎ、痛みも和らぎます。

• 清潔な 流水をかけて冷やします。
(無理に服を脱がせると、皮膚も一緒にはがれてしまうおそれがある際には、服の上から水をかけます )

• Ⅱ度以上のやけどの場合には、水流で皮膚がはがれてしまうおそれがあります。
水流を調節したシャワーや桶などにためた冷水で冷やします。

• 冷やす時間は15~20分くらい

• 水ぶくれがある場合はできるだけ破らないように気をつけてください。

• やけどの状態によって治療は違います。
自分の判断で薬を塗らず、すぐに医療機関を受診しましょう。

乳幼児のいる家庭は、部屋の環境をチェックしましょう。

• 子どもの手が届く範囲にやけどの原因となるものがないか。
(高温のもの、 電気ポットのコードなど)

• テーブルクロスやテーブルランナーは使用しない。

日本医師会 白くま先生のこども診療所 やけどへの対応方法

日本小児科学会 こどもの救急 やけど

もっと調べる

参考リンク

みんなの健康百科 応急処置 やけど

日本創傷外科学会 やけど(熱傷)
日本形成外科学会 けが・きずあと
日本熱傷学会
日本皮膚科学会
政府広報オンライン

初診に適した科

皮膚科、形成外科、小児科

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